アントニオ・ネグリ

Antonio Negri / photo (CC) Some rights reserved by PE Weck
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1933年イタリア、パドヴァに生まれる。マルクス論を中心とした政治哲学の研究者として、また、イタリア全土を揺り動かした、女性・学生・貧民・失業者等、社会的に弱い立場におかれた人々による、新しい社会運動「アウトノミア(自立)」を理論的に統括した社会派知識人として知られていたが、運動が高揚を見せた頃、「赤い旅団」によるアルド・モロ イタリア元首相誘拐暗殺の首謀の嫌疑をかけられ逮捕・起訴。その後、事件への直接的な関与は無かったことが判明するも、その体制批判的な言論活動による政治運動への影響力の責任を問われ有罪となる。獄中から立候補し当選、議員特権を得、拘束を解かれたが、数ヶ月後にその特権を剥奪され、再逮捕直前にフランスへ亡命。パリ亡命中、ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリらフランス知識人との親交を深め、グローバル社会における新しい人間解放の理論を発展させ、季刊誌「前未来」を主宰するなど、フランスで活発な研究・執筆活動を続ける。その後、刑期を勤めるため自発的に帰国・収監されるも、処遇が緩和され、2003年釈放となり、現在に至る。

研究者としてのネグリ氏は、イタリアのパドヴァ大学政治社会科学研究所、フランスのエコール・ノルマル(高等師範学校)、パリ第7及び8大学、そして国際哲学院や欧州哲学大学などで教鞭をとる。2000年に刊行し称賛を浴びたマイケル・ハートとの共著『帝国』において、「グローバリゼーション」と呼ばれる現象の進展に伴い出現した新しい世界秩序・主権の形態を<帝国>と捉える一方で、物理的領土を必須とした従来の国民国家の主権とは異なる、脱中心化されたネットワーク状の支配装置としての<帝国>の秩序と権力に対抗するオルターナティヴな実践の可能性を構想し、デモクラシーの運動としての〈マルチチュード〉を概念化した。

主要な著作のうち日本語訳のあるものに、『さらば、“近代民主主義”—政治概念のポスト近代革命』(作品社、2007)、『芸術とマルチチュード』(月曜社、2007)、『マルチチュード—<帝国>時代の戦争と民主主義』 (マイケル・ハートとの共著、日本放送出版協会、2005)、『<帝国>をめぐる5つの講義』(青土社、2004)、『ネグリ生政治的自伝—帰環』(作品社、2003)、『<帝国> —グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性』(マイケル・ハートとの共著、以文社、2003)、『自由の新たな空間—闘争機械』(フェリックス・ガタリとの共著、朝日出版社、 1986、世界書院、2007、再刊)などがある。スピノザについての研究書『野生のアノマリー』は近刊予定。

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