2008/3/11 火曜日

上映プログラム「特異的凡庸」

Filed under: 映像セル — 映像セル @ 13:17:17

「特異的凡庸」

「芸術は、いまや、マルチチュードの諸実践のなかの、ありとあらゆるところに存在する」

一般家庭にもフィルム撮影機材が普及しつつあった時代に登場してきた自主映画作家たち。彼らは既存の映画文法を土台としながらも、次第に、低予算を逆手に取った機動性や個人的主観の暴走といった、自主制作だからこそ可能なスタイルを築き上げていく。
結果、従来ノイズでしかなかった映像が新たな表現の方法となり、映画をはじめとする作家性の認められた映像表現との境界が融解してきた。例えば山崎幹夫の「りりくじゅんび」は、はたして“作品”と言えるのだろうか。
こうして見ると、映像に於けるノイズの代名詞であり、いまだ語る言葉を見出されていないホームムービーに対する見方も変わってくる。その画質や手ブレ、表現以前の欲求に基づいた撮影者のまなざしは一見、凡庸で見るに耐えない。しかし幾許かの忍耐と細心の注意を以て凝視してみれば、そこには撮影者の特異的な身体の痕跡が現れる。見たものと見ようとしたもの、見ざるを得なかったもの……雑多な感情が渾然一体となり焼き付けられたその眼差し、カメラを持つ手の震え、歩行・移動のリズム、息づかいが映像に与える微細な振動。類型化を許さない生の煌めきだ。

上映作品

「銀河系」(3月30日(日)17:30~)

「個人映像集団「化粧」(kesou)セレクション」(3月30日(日)15:30~)

「リビングルームシネマ」(3月29日(土)14:00~、3月30日(日)16:30~)

「りりくじゅんび」(3月29日(土)16:10~、3月30日(日)18:40~)

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